男性が痩せて細マッチョになるための自宅での初心者向き器具なし筋トレ=自重トレーニングのやり方を詳しく解説するとともに、具体的な一週間のメニュープログラムを例示します。
■自重トレーニングの特徴
自重トレーニングの最大の特徴は、なんといっても器具が必要ないことです。とても手軽で、思い立ったその日から始めることができます。
反面、自重トレーニングには複数の筋肉を同時に動かす複合関節運動(コンパウンド種目)しかないため、個別に筋肉を鍛えることができないという側面もあります。
しかし、全身運動的に身体を鍛え、細く締まった身体を目指す細マッチョ筋トレであれば、個別に単一の筋肉を鍛える単関節運動(アイソレーション種目)がないのは、そこまで気にする必要はないかもしれません。
■まずは全身の筋肉部位を理解する
どのような目的であれ、身体を鍛える場合にまず知っておきたいのは、鍛える対象となる筋肉の部位と連動性・作用です。
全身の筋肉はその作用と連動性から以下のように部位分けされます。
①上半身の押す筋肉
大胸筋・三角筋・上腕三頭筋など
②上半身の引く筋肉
広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋など
③体幹の筋肉
腹筋群・脊柱起立筋・回旋筋など
④下半身の筋肉
臀筋群・大腿四頭筋・大腿二頭筋など
さらに詳しい筋肉名称と作用については下記の筋肉図鑑をご参照ください。
▼さらに詳しい筋肉の構造と作用
【筋肉部位名称スマホ完全図鑑】胸・背中・腕・腹・下半身・インナーマッスルの名前と鍛え方
■筋繊維の種類と細マッチョになるための負荷回数設定
全身の筋肉の部位・連動性・作用を理解したら、次に知っておきたいのが筋肉を構成する筋繊維の種類・特徴と、細マッチョになるためにターゲットにすべき筋繊維に適した負荷回数設定です。
筋繊維には大きく三種類があり、それは次のように分類されます。
●筋繊維TYPE2b(速筋FG筋)
収縮が速く(Fast)、グリコーゲン(Glycogen)を消費する。30秒以内の瞬発動作で収縮し、鍛えると強く筋肥大する。10回前後の反復回数で限界がくる負荷設定でトレーニングする。筋肥大バルクアップ筋トレのターゲット。細マッチョ筋トレでは基本的には鍛えない筋繊維。●筋繊維TYPE2a(速筋FO筋)
収縮が比較的速く(Fast)、グリコーゲン(Oxygen)を消費する。60秒以内の瞬発的動作で収縮し、鍛えると筋肥大する。15回前後の反復回数で限界がくる負荷設定でトレーニングする。細マッチョ筋トレでのボリュームアップのターゲット。●筋繊維TYPE1(遅筋SO筋)
収縮が比較的遅く(Slow)、グリコーゲン(Oxygen)を消費する。60秒以上の持久動作で収縮し、鍛えると筋密度が向上し引き締まる。20回以上の反復回数で限界がくる負荷設定でトレーニングする。細マッチョ筋トレでの引き締めのターゲット。●細マッチョトレーニングの鍛え方
細マッチョトレーニングでは部位ごとにボリュームアップするのか引き締めるのかを明確に分けてトレーニングしますが、一般的に理想とされる細マッチョ体型になるための部位ごとの適切な1セットあたりの反復回数は以下の通りです。・大胸筋:ボリュームアップ(15回)
・三角筋:ボリュームアップ(15回)
・上腕三頭筋:引き締め(20回)
・広背筋:引き締め(20回)
・僧帽筋:引き締め(20回)
・上腕二頭筋:ボリュームアップ(15回)
・腹筋群:引き締め(20回)
・下半身:引き締め(20回)
■細マッチョになるための二つのアプローチ
●痩せ体形かぽっちゃり体形かで異なる
一般的に、細マッチョの基準とされるのがBMI22前後、体脂肪率15%前後ですが、このような体形になるためには現状の自分の体形によって二つのアプローチがあり、それは以下の通りです。
①痩せ体形の場合:まず筋肥大バルクアップ筋トレを行う
②ぽっやり体形の場合:まず引き締めダイエット筋トレを行う
そして、BMI22前後・体脂肪率15%前後の体形の場合、またはトレーニングによってそうなった場合は、筋肉を維持したり、より見栄えのよい形にするために、筋繊維TYPE2aをターゲットにした15回前後の反復で限界がくる負荷回数設定で「細マッチョ筋トレ」を行っていきます。
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■細マッチョ筋トレの一週間の組み方
筋肉はトレーニングを行うと筋繊維に微細な損傷を受け、その回復に24~72時間が必要になります。そして、回復するときにはトレーニング前よりも筋密度が向上して回復する特性があり、これを超回復と言います。そして、この超回復を適切に繰り返すことで筋密度を上げていくのが細マッチョ筋トレの基本です。
超回復前に筋肉に負荷を与えてしまうと、筋肉は筋密度が上がるどころか、逆に縮小してしまいますので、いかに超回復を妨げずに高い頻度でトレーニングを行うかがポイントですが、一日に全身全てをトレーニングしてしまうと72時間はトレーニングができないので、週3回程度の頻度で行うのが限界になってきます。
そこで、全身の筋肉をグループごとにローテーションで鍛えていき、超回復を行いながら高頻度でトレーニングをしていくメソッド「部位分割法|スプリットトレーニング」を導入するのがもっとも効率的です。
その分割方法例は以下のようになります。
週一日目:上半身の押す筋肉
週二日目:体幹部の筋肉
週三日目:下半身の筋肉
週四日目:体幹部の筋肉
週五日目:上半身の引く筋肉
この分割法ですと、超回復を妨げず、なおかつ週5回のトレーニングで常に代謝の高い状態も維持することが可能です。
それでは、次の項目からは全身の筋肉部位別の鍛え方・筋トレメニューを解説していきます。
■大胸筋の自重トレーニング
●膝つき腕立て伏せ
膝つき腕立て伏せは通常の腕立て伏せができなくても、比較的低負荷で大胸筋負荷をかけられる自重筋トレです。
膝つき腕立て伏せの大切なポイントは「背すじを伸ばして動作すること」、そして、常に「手首の真上に肘がくるように動作すること」です。また、肘を肩関節より前に出さないようにすることが、肩関節保護のためには重要ですので、十分に注意して動作を行ってください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①膝をつき背すじを伸ばし、肩幅よりやや広く手幅を置いて構える
②背すじを伸ばしたまま上半身を倒す
③同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●腕立て伏せ
腕立て伏せの大切なポイントは「背すじを伸ばして動作すること」、そして、常に「手首の真上に肘がくるように動作すること」です。また、肘を肩関節より前に出さないようにすることが、肩関節保護のためには重要ですので、十分に注意して動作を行ってください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①うつ伏せになり、背すじを伸ばし、肩幅よりやや広く手幅を置いて構える
②背すじを伸ばしたまま上半身を倒す
③同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●足上げ腕立て伏せ
足上げ腕立て伏せはに高負荷で大胸筋を鍛えられる腕立て伏せバリエーションです。
足上げ腕立て伏せは、足を台などの上に乗せ、上半身により体重がかかる状態で腕立て伏せを行います。
腕立て伏せの大切なポイントは「背すじを伸ばして動作すること」、そして、常に「手首の真上に肘がくるように動作すること」です。また、肘を肩関節より前に出さないようにすることが、肩関節保護のためには重要ですので、十分に注意して動作を行ってください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①うつ伏せになり、足を台などの上に乗せ、背すじを伸ばし、肩幅よりやや広く手幅を置いて構える
②背すじを伸ばしたまま上半身を倒す
③同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●ディップス
ディップスは大胸筋下部に効果的な腕立て伏せバリエーションです。
ディップスで大切なポイントは二つあり、これをきっちり注意しないと肩関節に開き負荷がかかり、肩を痛めるリスクがあります。
それは、①肩甲骨をしっかりと寄せる、②前傾姿勢で身体を下ろす、の二点です。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①肩甲骨を寄せ、背筋を伸ばして構える
②肩甲骨を寄せたまま前傾姿勢を作り、身体を下ろしていく
③上腕が床と平行になるまで身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま顎を引いて身体を元の位置まで押し上げる。
■三角筋の自重トレーニング
●パイクプッシュアップ
パイクプッシュアップは三角筋に効果的な腕立て伏せバリエーションです。
パイクプッシュアップは腰を大きく曲げ、体幹に対して腕を上方に押し出す軌道を作ることで、肩の筋肉・三角筋に負荷をかける腕立て伏せのバリエーションです。
大切な注意点は「肘を体幹の後ろに入れない」ことで、肩への開き負荷を避けるために重要です。動作中は常に肘が身体の前側にあるようにしてください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①手幅を肩幅より広くとって手をつき、うつ伏せになり、足幅も広くとり、大きく腰を曲げて構える
②肩甲骨を寄せ、やや斜め前方に身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま斜め後方に身体を押し上げて元に戻る
●逆立ち腕立て伏せ
逆立ち腕立て伏せは高負荷で三角筋を鍛えられる腕立て伏せバリエーションです。
逆立ち腕立て伏せは、完全に自立する必要はなく壁などにもたれて体重のほとんどを負荷に利用できれば問題ありません。
もっとも注意すべきポイントは、肩関節への開き負荷を避けるために、肘を体幹より後ろに入れないことです。動作中は常に肘が身体の前側にあるようにしてください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①手幅を肩幅より広くとり、壁などを使い倒立し、肩甲骨を寄せて構える
②肘が身体の後ろに入らないように注意し、身体を真下に下ろす
③頭が床につくまで身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま腕を押し出し元に戻る
■上腕三頭筋の自重トレーニング
●ダイヤモンド腕立て伏せ
ダイヤモンド腕立て伏せは上腕三頭筋に効果的な筋トレです。
ダイヤモンド腕立て伏せは、両手の親指と人差し指で菱形(ダイヤモンド型)を作って行う、手幅の狭い腕立て伏せのバリエーションで、この手の組み方をすることで手首関節に対する負担を軽減できることが特徴です。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①両手で菱形を作り、うつ伏せになり、背すじを伸ばして構える
②肩甲骨を寄せ、やや肘を外に張り出すように身体を下ろす
③身体を下ろしたら、肩甲骨を寄せたまま、腕の力で身体を元の位置まで押し上げる
●ベンチディップ
ベンチディップは上腕三頭筋に集中的な負荷をかけられる腕立て伏せバリエーションです。
ベンチディップを二の腕裏側に効果的に効かせるために大切なポイントは「脇を閉めて行う」ことです。これにより、二の腕裏側の筋肉・上腕三頭筋のなかで、体積の大きな内側(長頭)に集中的な負荷をかけることか可能です。
また、椅子(ベンチ)を使わず床に手をついて行うこともでき、このようなやり方を逆腕立て伏せとも呼びます。
しかしながら、効果の高いのは椅子(ベンチ)を使って行うやり方で、これは可動範囲が広がり、上腕三頭筋を最大伸展から最大収縮させることが可能だからです。
ですので、基本的には床ではなく椅子(ベンチ)を使ってトレーニングすることをおすすめします。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①椅子(ベンチ)に肩幅よりやや狭く手をつく
②脇を閉めて、できるだけ深く身体を下ろす
③反動を使わずに効かせながら元に戻る
■背筋群の自重トレーニング
●斜め懸垂
斜め懸垂は懸垂ができなくても比較的簡単に背筋を鍛えられる自重筋トレです。
斜め懸垂を行う場合にもっとも注意したいポイントは、「胸を張り肩甲骨を寄せる」ことで、背中が丸くなったり、肩甲骨を寄せないと二の腕ばかり効いてしまいますので注意してください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①バーの下に入り、肩幅より広く手幅をとって背筋を真っ直ぐにして構える
②胸を張り、肩甲骨を寄せながら上半身を引き上げる
③上半身を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる
④同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●懸垂
懸垂(チンニング)は背筋群を高負荷で鍛えられる自重筋トレです。 懸垂を行う場合にもっとも大切なポイントは、ただ身体を引き上げるのではなく、肩甲骨を寄せて背筋群をしっかりと収縮させることです。
このため、一般的な懸垂の概念である「バーから顎を出して一回」ということにこだわらず、「バーに胸をつけにいく軌道」で確実に肩甲骨を寄せることが、背筋トレーニングとしての懸垂には重要です。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①肩幅より広く手幅をとり、バーをグリップして背すじを真っ直ぐにして構える
②胸を張り、肩甲骨を寄せながら上半身を引き上げる
③上半身を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる
④同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●パラレル懸垂
パラレル懸垂は背中の中央部に効果的な自重筋トレです。
パラレル懸垂は通常の懸垂よりも背中の中央部に負荷がかかりやすい懸垂バリエーションです。
また、通常の懸垂よりもやや動作が楽なため、順手懸垂ができない人の練習種目としてもおすすめします。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①手の平が向き合うように懸垂バーをグリップし、背すじを真っ直ぐにして構える
②胸を張り、肩甲骨を寄せながら上半身を引き上げる
③上半身を引き上げたら、肩甲骨を寄せきり背筋群を完全収縮させる
④同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●バックエクステンション
バックエクステンションは脊柱起立筋に効果的な自重筋トレです。 バックエクステンションは、うつ伏せになり上半身を反らせる動作のトレーニングで、自身の手と腕が負荷として働くため、手をどこに構えるかで強度が変わってきます。
運動経験のあまりない女性におすすめなのが、動画のように手を腰位置に構えるやり方です。
うつ伏せになった状態から、手を指先まで伸ばしながら上半身を起こしていきますが、この時に勢いをつけて動作を行うと、腰に強い負担がかかりますので、ゆっくりと動き出すように十分に注意してください。
また、背筋群と首の連動性から、上半身を反らせながら顎を上げるように意識をしてください。苦しいと、つい顎を引いてしまいがちですが、顎を引くと背中が丸まり背筋が十分に収縮しません。苦しい時ほど顎を上げるイメージで動作を行ってください。
なお、トレーニングに慣れてきたら、手の位置を真横に、さらに手の位置を前方にすることで、本種目の負荷を少しずつ高めることが可能です。
最終的には、手を前方にするとともに、足先を浮かせるようにすると最高負荷が得られますが、これはスーパーマンバックエクステンションと呼ばれています。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①うつ伏せになり手を腰位置に構える
②上半身を起こしながら手を指先まで伸ばす
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
■上腕二頭筋の自重トレーニング
●逆手懸垂
一般的な懸垂トレーニングでは「肩甲骨を寄せ背筋群を完全収縮させる」ことが大切ですが、上腕二頭筋をターゲットにした逆手懸垂の場合は、できるだけ背筋群の筋力を使わずに、腕力だけで動作を行うことが大切です。
このためには、あえて背中を丸め気味に構え、肩甲骨を寄せずに動作するのがポイントになります。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①肩幅よりやや狭く手幅をとり、逆手で懸垂バーをグリップし、背すじを少し丸めて構える
②肩甲骨を寄せずに、腕力だけで上半身を引き上げる
③上半身を引き上げたら、同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
■腹筋群の自重トレーニング
●カールアップクランチ
カールアップクランチは腰に負担が少なく、腰を痛めにくい腹筋自重筋トレです。 腹筋のトレーニング全般に言えることですが、最大のポイントは「正しい呼吸で腹筋群を完全収縮させること」です。このためには、息を吐きながら身体を起こしていき、身体をもっとも上げたポジションで息を吐き切り、ギュッとお腹を縮める動作を加えることが大切です。
また、腹筋の収縮と首の連動性から、腹筋を縮めると同時に顎を引いてヘソを見るようにすることがコツになります。
クランチ(カールアップ)で、腰を痛めないためにはいくつかのポイントがあり、もっとも大切なのは「腰を反らせるような反動動作で折り返さない」ことです。これに加え、膝を90度程度に曲げてトレーニングを行うことも重要です。
なお、腰に不安感が強い場合には、足を台などの上に乗せ、クランチ(カールアップ)を行うとさらに腰への負担は軽減します。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①膝を90度に曲げ、頭の後ろで手を組んで構える
②ゆっくりと息を吐きながら上半身を起こす
③最後に息を吐き切り、顎を引いて腹筋群を完全収縮させる
④同じ軌道で元に戻る
⑤腰を反らせるような反動を使わずに繰り返す。
●レッグレイズ
レッグレイズは下腹に集中的な効果のある腹筋自重筋トレです。 レッグレイズ(足上げ腹筋)でもっとも大切なポイントは「足を下した時に反動を使わない」ことです。反動を使い、特に腰が反ってしまうような動作で行うと、腰椎に非常に強い負担がかかりますので十分に注意してください。
腰への負担を避けるためには、足を上げる時も下す時も、確実にコントロールした動作でゆっくりと行うことが肝心です。
また、腹直筋に効率的に効かせるためには、息を吐きながら足を上げていき、足をもっとも上げた位置で息を吐き切り腹直筋を完全収縮させること、足を下した時に足を床につけないようにし、腹直筋のテンションを維持することが大切です。
なお、腹筋群の収縮と首の連動性から、腹筋群が収縮するポジションで顎を引いて、ぎゅっとお腹を縮める意識をすることもコツになります。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①仰向けになり足を床から浮かせて構える
②息を吐きながら足を上げていく
③足を上げたら息を吐き切り、顎を引いて腹直筋を完全収縮させる
④ゆっくっりとコントロールしながら元に戻る
⑤腰を反らせたり、反動を使わずに動作を繰り返す
●リバースクランチ
リバースクランチは比較的低負荷ながら腹直筋に効果的な筋トレです。 リバースクランチは、仰向けになって足を真上に上げ、腰を浮かせて足を上下させることで腹直筋を収縮させるトレーニングです。
あまり負荷は高くありませんが、呼吸方法をあわせることで高い効果があります。
また、腰に対する負担が少ないことも魅力的な要素ですが、腰が床につくポジションでお尻をバウンドさせるような反動を使うと、さすがに腰に負担がかかりますので注意してください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①仰向けになって足を上げて構える
②息を吐きながら、腰を浮かせて足を真上に上げていく
③足を高く上げたら、息を吐ききり、顎を引いて腹直筋を完全に収縮させる
④ゆっくりと効かせながら元に戻る
●クランチツイスト
クランチツイストは腹斜筋に効果的な腹筋自重筋トレです。
クランチツイストで腰を痛めないようにするためには、膝を曲げて構え、必要以上に腰を反らせないようにすることが大切です。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①仰向けになり足を固定し、膝を90度に曲げて構える
②息を吐きながら上半身を起こしていく
③半分ほど上半身を起こしてたら、左右に上半身を捻る
④さらに上半身を起こし、息を吐ききり顎を引いて腹筋を完全に収縮させる
⑤反動を使わないように気をつけ、ゆっくりと効かせながら元に戻る
■下半身の自重トレーニング
●スクワット
自重スクワットはとても効果の高いトレーニングですが、やり方を間違えると膝に強い負担がかかりますので、しっかりと正しいフォームで行うことが大切です。
そのフォームのポイントは以下のようになります。
・胸を張り背すじを伸ばす
・膝をつま先より前に出さない
・目線はやや上に向ける
・斜め後ろにしゃがむ
このフォームを一言であらわすと「胸を張って椅子に座る動作」ですので、そのイメージで動作を行ってください。
そして、膝への負担がかからないよう、しゃがむのは膝が90度まで(太ももが床と平行)にすることをおすすめします。
また、これも膝への負担を考慮してですが、しゃがんでから立ち上がる折り返しポジションで、反動を使わないように気をつけてください。
なお、斜め後ろにしゃがむてバランスがとりづらい方は、かかとで板などを踏んで行うと動作がやりやすくなります。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①胸を張り背すじを伸ばして構える
②膝がつま先より前に出ないよう、斜め後ろにしゃがむ
③目線をやや上に向け、反動を使わずに立ち上がる
●シシースクワット
シシースクワットは大腿四頭筋に集中的な効果があるスクワットバリエーションです。
シシースクワットは後方に大きくのけぞるようにしゃがむことで、大腿四頭筋に負荷を集中させられます。
完全に自立する必要はなく、転倒リスクを避けるためにも柱などを持って行うことをおすすめします。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①柱などを持ち、肩幅程度に足を開き、胸を張って背筋を伸ばして構える
②膝を曲げながら後方にのけぞるようにしゃがむ
③膝が直角になるまでしゃがんだら、反動を使わずに膝を伸ばして立ち上がり、元に戻る
●ワイドスクワット
ワイドスクワットは、大きく足を開いて構えることで、足を閉じる作用のある内転筋群に負荷をかけられるスクワットバリエーションです。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①足を大きく開き、胸を張って背すじを伸ばして構える
②つま先の方向に膝を向けて曲げ、真下にしゃがむ
③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに膝を伸ばして立ち上がり元に戻る
●ブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワットは、片足を前に出し、片足を後ろの台などに乗せることで、非常に高い強度で下半身に負荷がかけられるスクワットバリエーションです。
一説では、ブルガリアの五輪体操チームが発案したためこのような種目名になったとも言われています。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①片足を大きく前に出し、片足を後ろの台などに乗せ、胸を張って背すじを伸ばして構える
②前にした足の膝がつま先より前に出ないように気をつけ、やや斜め後方にしゃがむ
③前に足の太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに後ろの足を主体にして立ち上がり元に戻る
●フロントランジ
フロントランジはハムストリングスに効果的でヒップアップに最適なスクワットバリエーションです。
フロントランジは足を前後に開いて構え、後ろ側にした脚の膝を下げるようにしてしゃがみます。この時に、膝への負担を避けるため、前側の脚の膝がつま先より前に出ないように気をつけてください。
前側の脚の太ももが、床と平行になるまでしゃがんでから立ち上がりますが、後ろ側にした脚を主体にして立ち上がる意識で動作を行うと、より一層下半身後ろ側に効果的です。
筋力的に動作が辛い方は、手を軽く振り子のように使って立ち上がってください。ただし、膝のバネを反動にして立ち上がると、膝関節に大きな負担がかかりますので、十分に気をつけてトレーニングしましょう。
また、背すじを伸ばし、やや目線を上に向けた姿勢を作ることも大切なポイントです。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①足を前後に開いて構える
②背すじを伸ばし、やや目線を上げる
③前足の太ももが床と平行になるまでしゃがむ
④後ろ足に意識を集中して立ち上がる
●サイドランジ
サイドランジは内転筋群に効果的で内もも引き締めに最適なスクワットバリエーションです。
サイドランジは大きく横に足を広げて構え、そこから片側の膝を曲げて横向きにしゃがんでいきます。この時に、曲げる方の脚の膝をつま先と平行(同じ向き)になるように注意しないと、膝関節に捻れ負荷がかかってしまいますので、十分に気をつけてください。
あわせて、膝関節保護のため、曲げる方の脚の膝がつま先より前に出ないように注意することも大切です。
しゃがんでから立ち上がる時は、伸ばした方の脚で身体を行き寄せるようにするのがポイントで、この動作によって内ももの筋肉である内転筋群に負荷をかけることができます。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①足を横に広げて構える
②片側の膝を曲げ、横方向にしゃがむ
③伸ばした脚で引き寄せるようにして立ち上がる
④反対側の膝を曲げて再びしゃがみ、同様に立ち上がる
■具体的な一週間の自重筋トレプログラム
ここからは、具体的な一週間のプログラムメニューを例示していきます。各セット数は目安ですので、体力にあわせて増減してください。また、トレーニングの順番は筋トレの基本的な順序である「複合関節運動」→「単関節運動」または「高負荷トレーニング」→「低負荷トレーニング」の順になっていますので、そのまま実施してください。
●月曜日の自重細マッチョ筋トレ
①膝つき腕立て伏せまたは腕立て伏せまたは足上げ腕立て伏せを2~3セット②ディップスを2~3セット
③パイクプッシュアップまたは逆立ち腕立て伏せを1~2セット
④ダイヤモンド腕立て伏せまたはベンチディップを1~2セット
●火曜日の自重細マッチョ筋トレ
①カールアップクランチを2~3セット②レッグレイズまたはリバースクランチを2~3セット
③クランチツイストを2~3セット
●水曜日の自重細マッチョ筋トレ
①自重スクワットまたはシシースクワットを2~3セット②フロントランジまたはブルガリアンスクワットを2~3セット
③ワイドスクワットまたはサイドランジを2~3セット
●木曜日の自重細マッチョ筋トレ
①カールアップクランチを2~3セット②レッグレイズまたはリバースクランチを2~3セット
③クランチツイストを2~3セット
●金曜日の自重細マッチョ筋トレ
①斜め懸垂または懸垂またはパラレル懸垂を3~5セット②逆手懸垂を2~3セット
③バックエクステンションを2~3セット