ぽっちゃり体型から痩せて細マッチョになる、または、痩せ体形から筋肥大して細マッチョになるためのチューブトレーニングメニューを、部位別に解説します。
理想的な細マッチョ体型を目指すのであれば、筋肉部位により負荷回数設定を変え、程よく筋肥大させたり、引き締めたりすることが重要です。
■チューブトレーニングの特徴
チューブトレーニングは自重トレーニングと異なり、筋肉部位を個別に鍛える単関節運動(アイソレーション種目)が豊富なことが特徴で、これにより部位によって筋肥大させるのか引き締めるのかを明確に決めたトレーニングが可能です。
また、ダンベルトレーニングと異なり「上から腕を引く運動」が可能なことも大きな魅力と言えるでしょう。
反面、高負荷がかけにくいという側面がありますが、中負荷トレーニングが中心の細マッチョ筋トレにおいては、あまり問題ありません。
■まずは全身の筋肉部位を理解する
どのような目的であれ、身体を鍛える場合にまず知っておきたいのは、鍛える対象となる筋肉の部位と連動性・作用です。
全身の筋肉はその作用と連動性から以下のように部位分けされます。
①上半身の押す筋肉
大胸筋・三角筋・上腕三頭筋など
②上半身の引く筋肉
広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋など
③体幹の筋肉
腹筋群・脊柱起立筋・回旋筋など
④下半身の筋肉
臀筋群・大腿四頭筋・大腿二頭筋など
さらに詳しい筋肉名称と作用については下記の筋肉図鑑をご参照ください。
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【筋肉部位名称スマホ完全図鑑】胸・背中・腕・腹・下半身・インナーマッスルの名前と鍛え方
■筋繊維の種類と細マッチョになるための負荷回数設定
全身の筋肉の部位・連動性・作用を理解したら、次に知っておきたいのが筋肉を構成する筋繊維の種類・特徴と、マッチョになるためにターゲットにすべき筋繊維に適した負荷回数設定です。
筋繊維には大きく三種類があり、それは次のように分類されます。
●筋繊維TYPE2b(速筋FG筋)
収縮が速く(Fast)、グリコーゲン(Glycogen)を消費する。30秒以内の瞬発動作で収縮し、鍛えると強く筋肥大する。10回前後の反復回数で限界がくる負荷設定でトレーニングする。筋肥大バルクアップ筋トレのターゲット。細マッチョ筋トレでは基本的には鍛えない筋繊維。●筋繊維TYPE2a(速筋FO筋)
収縮が比較的速く(Fast)、グリコーゲン(Oxygen)を消費する。60秒以内の瞬発的動作で収縮し、鍛えると筋肥大する。15回前後の反復回数で限界がくる負荷設定でトレーニングする。細マッチョ筋トレでのボリュームアップのターゲット。●筋繊維TYPE1(遅筋SO筋)
収縮が比較的遅く(Slow)、グリコーゲン(Oxygen)を消費する。60秒以上の持久動作で収縮し、鍛えると筋密度が向上し引き締まる。20回以上の反復回数で限界がくる負荷設定でトレーニングする。細マッチョ筋トレでの引き締めのターゲット。●細マッチョトレーニングの鍛え方
細マッチョトレーニングでは部位ごとにボリュームアップするのか引き締めるのかを明確に分けてトレーニングしますが、一般的に理想とされる細マッチョ体型になるための部位ごとの適切な1セットあたりの反復回数は以下の通りです。・大胸筋:ボリュームアップ(15回)
・三角筋:ボリュームアップ(15回)
・上腕三頭筋:引き締め(20回)
・広背筋:引き締め(20回)
・僧帽筋:引き締め(20回)
・上腕二頭筋:ボリュームアップ(15回)
・腹筋群:引き締め(20回)
・下半身:引き締め(20回)
■細マッチョになるための二つのアプローチ
●痩せ体形かぽっちゃり体形かで異なる
一般的に、細マッチョの基準とされるのがBMI22前後、体脂肪率15%前後ですが、このような体形になるためには現状の自分の体形によって二つのアプローチがあり、それは以下の通りです。
①痩せ体形の場合:まず筋肥大バルクアップ筋トレを行う
②ぽっやり体形の場合:まず引き締めダイエット筋トレを行う
そして、BMI22前後・体脂肪率15%前後の体形の場合、またはトレーニングによってそうなった場合は、筋肉を維持したり、より見栄えのよい形にするために、筋繊維TYPE2aをターゲットにした15回前後の反復で限界がくる負荷回数設定で「細マッチョ筋トレ」を行っていきます。
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■筋トレの一週間の組み方
筋肉はトレーニングを行うと筋繊維に微細な損傷を受け、その回復に24~72時間が必要になります。
そして、回復するときにはトレーニング前よりも筋密度が向上して回復する特性があり、これを超回復と言います。
そして、この超回復を適切に繰り返すことで筋肥大または筋密度を上げていくのが筋トレの基本です。
超回復前に筋肉に負荷を与えてしまうと、筋肉は筋密度が上がるどころか、逆に縮小してしまいますので、いかに超回復を妨げずに高い頻度でトレーニングを行うかがポイントですが、一日に全身全てをトレーニングしてしまうと72時間はトレーニングができないので、週3回程度の頻度で行うのが限界になってきます。
そこで、全身の筋肉をグループごとにローテーションで鍛えていき、超回復を行いながら高頻度でトレーニングをしていくメソッド「部位分割法|スプリットトレーニング」を導入するのがもっとも効率的です。
その分割方法例は以下のようになります。
週一日目:上半身の押す筋肉
週二日目:体幹部の筋肉
週三日目:下半身の筋肉
週四日目:体幹部の筋肉
週五日目:上半身の引く筋肉
この分割法ですと、超回復を妨げず、なおかつ週5回のトレーニングで常に代謝の高い状態も維持することが可能です。
それでは、次の項目からは全身の筋肉部位別の鍛え方・筋トレメニューを解説していきます。
■大胸筋の細マッチョトレーニング
●チューブチェストプレス
チューブチェストプレスは大胸筋に効果的な基本となるゴムバンド筋トレで、胸の厚みを増すのに重要です。
チューブチェストプレスは、大胸筋の作用である「腕を前に押し出す」動作によって胸の筋肉を刺激します。
腕を押し出す角度によって、効果のある大胸筋の部位が以下のように変化し、それぞれに違った種目名称がつけられていますが、それは以下の通りです。
・腕を前方に押し出す:チューブチェストプレス|大胸筋全体に効果のある基本種目
・腕を斜め上方に押し出す:インクラインチューブチェストプレス|大胸筋上部に効果がありバストをリフトアップする
・腕を斜め下方に押し出す:デクラインチューブチェストプレス|大胸筋下部に効果がありバストの土台をボリュームアップする
いずれの種目も動作のポイントは共通で、もっとも大切なのは「肩甲骨を寄せたまま腕を押し出す」ことです。
肩甲骨をしっかりと寄せていないと、大胸筋ではなく肩の筋肉・三角筋が主働になってしまい、胸に十分な負荷がかからなくなってしまいますので、セット中は常に肩甲骨を寄せたままにするように意識してください。
また、大胸筋の収縮と首の連動性から、腕を押し出したポジションで顎を引き、大胸筋を完全収縮させるのも大切なポイントです。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①肩甲骨を寄せて構える
②肩甲骨を寄せたまま腕を押し出す
③腕を押し出した位置で顎を引き、大胸筋を完全収縮させる
●チューブチェストフライ
チューブチェストフライは大胸筋内側に効果的で、胸の谷間のきれをよくするのに重要なゴムバンド筋トレです。
チューブチェストフライは、腕を閉じる動作で大胸筋の内側に効かせていきますが、その閉じる角度によって負荷のかかる部位が変化し、種目名称もそれぞれに異なります。
それは、以下の通りです。
・腕を前方で閉じる:チューブチェストフライ|大胸筋内側全体に効果がある基本種目
・腕を斜め上方で閉じる:インクラインチューブチェストフライ|大胸筋内側上部に効果がありバストを寄せて上げる
・腕を斜め下方で閉じる:デクラインチューブチェストフライ|大胸筋内側下部に効果があるが女性はあまり行わない
いずれの種目も、もっとも大切なポイントは「肩甲骨を寄せたまま腕を閉じる」ことで、肩甲骨の寄せ方が甘いと、肩から先に動いてしまい、大胸筋に対する負荷が逃げてしまうので注意してください。
また、一般的な筋トレは力を入れながら息を吐きますが、本種目は大胸筋の収縮に胸郭のテンションを保つ必要がありますので、息を大きくためたまま腕を閉じる動作を行います。
なお、腕を閉じたポジションで手を前方に突き出す動作と顎を引く動作を加えると、大胸筋内側が完全収縮して効果が倍増します。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①肩甲骨を寄せて構える
②肩甲骨を寄せたまま腕を閉じる
③腕を閉じたら顎を引き手を少し前に突き出す
④同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●チューブプルオーバー
チューブプルオーバーはやり方によって大胸筋から広背筋まで効果のある部位が変化するゴムバンド筋トレです。
チューブプルオーバーで負荷のかかる部位が大胸筋か広背筋かを決めるのは、主に肘の角度で、それは以下の通りです。
◯ベントアームチューブプルオーバー
肘を曲げて行うバリエーションで、主に大胸筋に負荷がかかります。
◯ストレートアームチューブプルオーバー
肘を伸ばして行うバリエーションで、主に広背筋に負荷がかかります。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①頭の上からテンションがかかるようにトレーニングチューブを取り付け、肘を鍛えたい部位に合わせて曲げる(または伸ばす)ように構える
②肘の角度を保ち、チューブをヘソの位置まで引き下げる
③大胸筋の場合は肩甲骨を解放して大胸筋を完全収縮させ、広背筋の場合は肩甲骨を寄せて広背筋を完全に収縮させる
④同じ軌道で元に戻る
■三角筋の細マッチョトレーニング
●チューブショルダープレス
チューブショルダープレスは三角筋に効果的な基本ゴムバンド筋トレで、肩幅を増やすのに重要です。
チューブショルダープレスの最大のポイントは「肘を体幹よりも後ろにしない」ことで、肘が身体の後ろ側に回ってしまうフォーム(背中を反らせすぎた姿勢)だと、肩関節に開き負荷がかかってしまうので、常に身体の前側に肘がくるように気をつけて動作を行ってださい。
腕を上に押し上げる動作のなかで、肩の筋肉・三角筋の前部と中部が刺激を受け、腕を下ろす時にゴムの張力に耐えることで後部にも効果があります。
腕を押し上げる時だけでなく、下ろす時にもゆっくりとコントロールして動作を行うことが大切なポイントです。
また、上半身を前後左右に動かさず、真っ直ぐな姿勢を維持し、肩から先だけで動作をすることも重要です。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①真っ直ぐに立って構える
②肘が背中側に回らないように腕を押し上げる
③上半身を傾けないように腕を伸ばしきる
④同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●チューブアップライトロー
チューブアップライトローは効かせるのが難しい三角筋トレーニングとしては、比較的簡単な動作で効かせられる初心者向きのゴムバンド筋トレです。
チューブアップライトローイングイングは真っ直ぐに立ちトレーニングチューブをグリップして構え、そこまら肘を先行させてチューブを引き上げていく種目です。
この時に注意したいのが「身体を前後に動かさないこと」で、負荷を分散させずに三角筋に集中させるために重要なポイントです。
ダンベルを引き上げる時に肩の筋肉・三角筋の前部と中部に、下ろす時にゴムの張力に耐えることによって三角筋後部に負荷がかかります。
トレーニングチューブを引き上げる時だけでなく、下ろす時にもゆっくりと動作し、エキセントリック収縮(伸張性収縮)で三角筋後部に効かせるようにしてください。
三角筋のトレーニングは、隣接している背筋群に負荷が逃げやすく注意が必要ですが、これは一般的なトレーニングで行う「肩甲骨を寄せる動作をせず」、肩甲骨を寄せずに動作することで防ぐことができます。
三角筋のトレーニングでは、基本的に肩甲骨は寄せずに固定することを覚えておいてください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①真っ直ぐに立ちトレーニングチューブをグリップして構える
②肘を先行させて、肩甲骨を寄せないように注意しながら拳を肩の高さまで引き上げる
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
●チューブフロントレイズ
チューブフロントレイズは三角筋前部に集中的な効果のあるゴムバンド筋トレです。
チューブフロントレイズでもっとも気をつけるポイントは、上半身を反らせたり肩甲骨を寄せたりしないことです。
上半身を反らせると背筋群下部に、肩甲骨を寄せると背筋群上部に負荷が逃げてしまいますので注意してください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①トレーニングチューブをグリップし、背すじを真っ直ぐにし、肘を伸ばして構える
②肘を曲げず、上半身を反らせず、肩甲骨を寄せずに拳を前に挙げていく
③拳を肩の高さまで上げたら、同じ軌道で効かせながら元に戻る
●チューブサイドレイズ
チューブサイドレイズは三角筋中部(横側)に効果的なゴムバンド筋トレで、肩幅を増やすのに重要です。
チューブサイドレイズで大切なポイントは、上半身を反らせたり、肩甲骨を寄せたりしないことで、これらを間違えると背筋群に負荷が逃げてしまい、背中のトレーニングになってしまうので注意してください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①トレーニングチューブをグリップし、背すじを真っ直ぐにして構える
②肘を伸ばしたまま、上半身を反らせず、肩甲骨を寄せずに拳を横に上げていく
③拳を肩の高さまで上げたら、同じ軌道で効かせながら元に戻る
●チューブリアラテラルレイズ
チューブリアラテラルレイズは三角筋後部に効果的なゴムバンド筋トレで、後ろから見た時の肩幅の広さに影響します。
チューブリアラテラルレイズは前傾姿勢を作り、斜め上方に拳を上げることで三角筋後部に負荷を与えていきますが、この時にあまり肩甲骨を寄せる動作を行うと負荷が背筋群に逃げてしまい、チューブリバースフライという僧帽筋のトレーニングになってしまいますので注意してください。
また、前傾姿勢で構えたときに、あまり下を向くと動作がやりにくくなりますので、やや前を見るくらいの意識で行ってください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①トレーニングチューブをグリップし、胸を張り背すじを真っ直ぐにして前傾姿勢をとる
②肩甲骨を寄せすぎないように注意し、拳を斜め前方に上げていく
③拳を肩の高さまで上げたら、同じ軌道で効かせながら元に戻る
●チューブフェイスプル
チューブフェイスプルは効かせるのが難しい三角筋後部に、比較的簡単な動作で負荷を加えられるゴムバンド筋トレです。
チューブフェイスプルのもっとも大切なポイントは「肘を上げ高い位置に拳を引き寄せる」ことです。
肘の軌道が低かったり、拳を引き寄せる位置が低いと、負荷のほとんどは背筋群にかかってしまい、肝心の三角筋後部には効かなくなりますので注意してください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①足にトレーニングチューブをかけ、両手でグリップして構える
②肘を肩より高く上げ、拳を顔に向けて引く
③拳を顔まで引いたら、同じ軌道で効かせながら元に戻る
■上腕三頭筋の細マッチョトレーニング
●チューブフレンチプレス
チューブフレンチプレスは上腕三頭筋に効果的なゴムバンド筋トレで、二の腕後ろ側のたるみをとるのに重要です。
チューブフレンチプレスは、肘をしっかりと固定して動作をするのが最大のポイントで、肘が前後に動いてしまい肩関節が稼動してしまうと、負荷が胸の筋肉・大胸筋に逃げてしまいますので注意が必要です。
肘を頭の横にしっかりと固定し、肘から先だけで動作を行うようにしてください。
なお、肘を開き気味に動作を行うと二の腕外側に、肘を閉じ気味で動作を行うと二の腕内側に負荷がかかりますので、セットごとに肘の開き具合を変えて、まんべんなく二の腕裏側を刺激するようにしてください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①肘を頭の横に固定して構える
②肘から先だけを動かして肘を伸ばす
③同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●チューブプレスダウン
チューブプレスダウンは上腕三頭筋に効果的なゴムバンド筋トレです。
チューブプレスダウンで重要なポイントは、肘の位置を動かさずに動作を行うことで、肘が前後に動いてしまうと、背筋群に負荷が逃げてしまうので注意してください。
また、手の平が下を向くように構えると上腕三頭筋短頭(外側)に、手の平が向き合うように構えると上腕三頭筋長頭(内側)に負荷が集中します。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①肘を直角に曲げ、身体の横で位置を固定して構える
②肘の位置を動かさないように注意して、肘を伸ばす
③肘を完全に伸ばしたら、同じ軌道で効かせながら元に戻る
●チューブキックバック
チューブキックバックは上腕三頭筋に集中的な効果のあるゴムバンド筋トレで、二の腕後ろ側のたるみをとるのに最適な方法です。
チューブキックバックでもっとも大切なポイントは「肩関節を動かさない」ことで、肩関節が動いてしまうと背筋群に負荷が分散してしまいますので、しっかりと肘の位置を固定し、肘から先だけで動作を行うようにしてください。
この時に、背中が丸まった状態だと腰に負担がかかるだけでなく、上腕三頭筋が完全収縮しにくくなるので、胸を張りやや前を見て背すじを真っ直ぐに構え、そこから腕を後ろに伸ばしていきます。
なお、肘を伸ばしきったポジションで手の平が上を向くように手首を外回りに回すと、上腕三頭筋長頭が完全収縮して効果が倍増します。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①肘を体に近づけて固定し構える
②胸を張り前を見て背すじを伸ばす
③肘を後ろに伸ばす
④手首を軽く外むけに回し、上腕三頭筋を完全収縮させる
⑤ゆっくりと効かせながら元に戻る
■背筋群の細マッチョトレーニング
●チューブローイング
チューブローイングは背筋群全体に効果的なゴムバンド筋トレで、背筋トレーニングの基本種目です。
チューブローイングは、背中の引き締めに効果の高い、上半身の引く動きのゴムバンド筋トレの基本種目です。
チューブローイングで大切なポイントは「肩甲骨を寄せながら腕を引く」ことで、腕を引ききったポジションで肩甲骨を寄せきり、背筋群を完全収縮させることが大切です。
また、背筋群の収縮と首の連動性から、最後に肩甲骨を寄せきりながら顎をやや上げることで効果が倍増します。
なお、上半身をあまり倒しすぎると、背筋群から負荷が逃げてしまい、腰に負荷がかかってしまうので過度に上半身を倒さないように注意してください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①胸を張って背すじを伸ばして構える
②腕を引きながら肩甲骨を寄せる
③肩甲骨を寄せきるとともに顎を上げて背筋群を完全収縮させる
④同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●チューブラットプル
チューブラットプルダウンは広背筋にに効果的なゴムバンド筋トレで、上半身を逆三角形にするのに有効です。
チューブラットプルダウンで大切なポイントは、しっかりと肩甲骨を寄せる動作を行い、広背筋を収縮させることです。
なお、広背筋は上から腕を引き下げる動作のなかで鍛えられますので、高い位置にトレーニングチューブを取り付けてください。
高いトレーニングチューブを取り付けられない場合は、身体を前傾させるなどして、頭の上方向から負荷をかけられるように工夫が必要です。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①身体に対して上からテンションがかかるようにトレーニングチューブを取り付け、頭の上方向で肘を伸ばして構える
②肩甲骨を寄せながら、腕を引き下げる
③拳が肩の位置にくるまで腕を引き下げたら、肩甲骨を寄せきって広背筋を完全に収縮させる
④同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●チューブプルオーバー
チューブプルオーバーはやり方によって大胸筋から広背筋まで効果のある部位が変化するゴムバンド筋トレです。
チューブプルオーバーで負荷のかかる部位が大胸筋か広背筋かを決めるのは、主に肘の角度で、それは以下の通りです。
◯ベントアームチューブプルオーバー
肘を曲げて行うバリエーションで、主に大胸筋に負荷がかかります。
◯ストレートアームチューブプルオーバー
肘を伸ばして行うバリエーションで、主に広背筋に負荷がかかります。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①頭の上からテンションがかかるようにトレーニングチューブを取り付け、肘を鍛えたい部位に合わせて曲げる(または伸ばす)ように構える
②肘の角度を保ち、チューブをヘソの位置まで引き下げる
③大胸筋の場合は肩甲骨を解放して大胸筋を完全収縮させ、広背筋の場合は肩甲骨を寄せて広背筋を完全に収縮させる
④同じ軌道で元に戻る
■上腕二頭筋の細マッチョトレーニング
●チューブカール
チューブカールは上腕二頭筋に効果的なゴムバンド筋トレです。
チューブカールを行う場合の最大のポイントは「肘を固定し前後に動かさない」ことで、肘が前後に動く=肩関節が動いてしまうと、負荷の多くが背中の筋肉に逃げてしまいます。
ですので、しっかりと肘の位置を固定し、肘から先だけで動作を行うことが大切です。
また、肘を固定していても上半身を前後に動かすような反動を使うと、二の腕に負荷がほとんどかからなくなりますので、背すじを伸ばして直立姿勢を崩さずに行うことも重要になります。
なお、両手同時に肘を曲げるやり方だと、どうしても肩が動いたり上半身が動いてしまうという方は、左右の腕を交互に曲げるオルタネイト式で行うことをおすすめします。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①背すじを伸ばし肘を腰の横に固定して構える
②肘から先だけを動かしてチューブを引き上げる
③同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●チューブハンマーカール
チューブハンマーカールは上腕二頭筋長頭に効果的な筋トレです。
チューブハンマーカールでもっとも大切なポイントは、肘の位置を固定して動かさないことです。
肘が前後に動いてしまうと、負荷の多くが僧帽筋に逃げてしまいますので注意してください。
また、肘を曲げていくときに上半身を反らさないことも重要で、上半身を反らせてしまうと負荷が背筋下部にかかってしまいます。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①背すじを伸ばし肘を腰の横に固定して構える
②肘から先だけを動かしてチューブを引き上げる
③同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●チューブリバースカール
チューブリバースカールは前腕筋群に効果的なゴムバンド筋トレです。
チューブリバースカールを行う上で大切なポイントは、「肘の位置を動かさない」ことと「上半身を反らさない」という二点です。
これができていないと、負荷が僧帽筋や背筋下部に逃げてしまいますので注意してください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①背すじを伸ばし肘を腰の横に固定して構える
②肘から先だけを動かしてチューブを引き上げる
③チューブを引き上げたら、やや手首を反らせて前腕筋群を完全に収縮させる
④同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
■腹筋群の細マッチョトレーニング
●チューブクランチ
チューブクランチは腹直筋に効果的なゴムバンド筋トレです。
チューブクランチの動作で大切になるのは「呼吸の仕方」と「顎の使い方」です。
スタートポジションから息を吐きながら身体を曲げていきますが、もっとも身体を曲げたポジションで息を吐ききり、腹筋群を最大収縮するようにしてくだい。
また、腹筋群の収縮と首の連動性の観点から、身体を曲げきったフィニッシュポジションで、顎を引いてぎゅっと腹筋群を完全収縮させることで効果が倍増します。
なお、身体を戻した折り返しポイントで、腰を反らせたり、反動を使った動作を行うと腰に強い負担となりますので、しっかりとコントロールした動作で確実に反復してください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①膝をつきゴムバンドを頭上で保持して構える
②息を吐きながら身体を曲げていく
③身体を曲げきったら息を全て吐いて腹筋群を最大収縮させる
④同時に顎を引いて腹筋群を完全収縮させる
⑤同じ軌道でゆっくりと効かせながら元に戻る
●チューブレッグレイズ
チューブレッグレイズは腹直筋下部に効果的な筋トレです。
もっとも大切なポイントは「反動を使わない」「腰を反らさない」ことで、特に足を下ろしてから再び上げる折り返しポジションで、焦って反動を使って動作を行うと腰が反ってしまいます。
これを防ぐために、ゆっくりと常にコントロールした動作で行う意識を持ってトレーニングしてください。
また、足を上げながら息を吐いていき、足をもっとも高く上げた位置で息を吐ききるとともに、やや顎を引いて腹筋群を完全収縮させることがコツです。
なお、セット中は腹筋のテンションが抜けてしまわないように、足を床につけないようにすることも重要です。
このほかに、上半身を倒しすぎると負荷が腹筋から抜けてしまうので、あまり上半身を倒さないこと、どうしても反復が厳しくなってきたら膝をやや曲げて負荷を軽くすることなどもポイントです。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①上半身は倒しすぎずに構える
②息を吐きながら足を上げていく
③足を上げたら息を吐ききり顎を引いて腹直筋を完全収縮させる
④同じ軌道でしっかりと効かせながら元に戻る
⑤反動を使ったり腰を反らせないように繰り返す
●チューブサイドベント
チューブサイドベントは腹斜筋に効果的でお腹回りのくびれを作るゴムバンド筋トレです。
チューブサイドベントでもっとも大切なポイントは、大きな動きで腹斜筋を最大伸展させてから最大収縮させることです。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①下からテンションのかかった状態で片側の手でトレーニングチューブをグリップし、真っ直ぐに立つ
②身体を大きく真横に傾け、トレーニングチューブをグリップした側の横腹を最大伸展させる
③ゴムの張力に耐えながらゆっくりと元に戻り、息を吐ききって腹斜筋を最大収縮させる
■下半身の細マッチョトレーニング
●チューブスクワット
チューブスクワットは下半身全体に効果的な下半身トレーニングの基本となるゴムバンド筋トレです。
チューブスクワットは、自重スクワットにチューブのゴム張力負荷を追加して強度を高めた種目で、基本的なフォームややり方は自重でのスクワットに準じます。
そのポイントは以下の通りです。
・胸を張り背すじを伸ばす
・膝をつま先より前に出さない
・目線はやや上に向ける
・斜め後ろにしゃがむ
このフォームを一言であらわすと「胸を張って椅子に座る動作」ですので、そのイメージで動作を行ってください。
そして、膝への負担がかからないよう、しゃがむのは膝が90度まで(太ももが床と平行)にすることをおすすめします。
また、これも膝への負担を考慮してですが、しゃがんでから立ち上がる折り返しポジションで、反動を使わないように気をつけてください。
なお、斜め後ろにしゃがむてバランスがとりづらい方は、かかとで板などを踏んで行うと動作がやりやすくなります。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①下からテンションがかかるようにトレーニングチューブをグリップし、胸を張り背すじを伸ばして構える
②膝がつま先より前に出ないよう、斜め後ろにしゃがむ
③目線をやや上に向け、反動を使わずに立ち上がる
●チューブレッグプレス
チューブレッグプレスは大腿四頭筋に効果的な筋トレです。
チューブレッグプレスは、仰向けになり膝を曲げて足先にゴムバンドをかけて構え、そこからゴムチューブの張力に逆らって足を押し出していきます。
足を押し出す方向に注意が必要で、あまり低いと腹筋群や背筋群に負荷が分散してしまいますので、斜め上方にむけて足を押し出すことが大切です。
また、足を押し出す動きのなかで太もも前側に、ゴムの張力に耐えて足を戻す動きのなかで太もも裏側に負荷がかかりますので、足を押し出す時だけでなく、戻す時にもしっかりとコントロールした動作で丁寧に効かせるようにしてください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①仰向けになり膝を曲げ足先にゴムをかけて構える
②斜め上方にむけて足を押し出す
③張力に耐えながらゆっくりと元に戻る
●チューブレッグエクステンション
チューブレッグエクステンションは大腿四頭筋に集中的な効果があるゴムバンド筋トレです。
チューブレッグエクステンションを行うときは、足に後ろからテンションをかけ、膝下の動作だけに集中できるように構えます。
そこから、足を前に上げていきますが、この時に上半身を後ろに倒してしまうと負荷が腹筋群に分散してしまいますので、上半身は床と垂直に保つようにしてください。
また、足を上げたポジションで、つま先を手前に向けるような動きを加えることで、太もも前側の筋肉が完全収縮して効果が倍増します。
なお、反動を使って動作を行うと、あまり負荷がかからなくなりますので、足を上げる時も下ろす時も、しっかりとコントロールした動作で丁寧に効かせるのがポイントです。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①椅子に座り背すじを伸ばして構える
②上半身を倒さないように足を上げる
③足を上げたらつま先を手前に向ける
④ゆっくりと効かせながら元に戻る
●チューブレッグカール
チューブレッグカールはハムストリングスに効果的なゴムバンド筋トレで、ヒップアップに最適な方法です。
チューブレッグカールはうつ伏せになり足にチューブをセットして構えます。
そこから、膝を曲げていき、90度まで曲げたらつま先を伸ばす動きを加えて太ももの裏側の筋肉・ハムストリングスを完全収縮させます。
この時に、少し太ももを床から浮かせ、お尻にギュッと力を入れると臀筋群も収縮するのでさらにヒップアップに効果的です。
なお、ハムストリングスは収縮するときだけでなく、戻す時にゴムの張力に逆らいながらゆっくりと戻すことで、エキセントリック収縮(伸張性収縮)によって非常に効率的に聞かせることが可能です。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①うつ伏せになり足にゴムをセットして構える
②膝を90度まで曲げ、つま先を伸ばして筋肉を完全収縮させる
③やや太ももを浮かせてお尻にも効かせる
④ゆっくりとゴムの張力に逆らいながら元に戻る
■具体的な一週間のチューブ筋トレプログラム
ここからは、具体的な一週間のプログラムメニューを例示していきます。
各セット数は目安ですので、体力にあわせて増減してください。
また、トレーニングの順番は筋トレの基本的な順序である「複合関節運動」→「単関節運動」または「高負荷トレーニング」→「低負荷トレーニング」の順になっていますので、そのまま実施してください。
●月曜日のチューブトレーニング
①チューブチェストプレスを2~3セット②チューブチェストフライを2~3セット
③チューブショルダープレスまたはチューブアップライトローを1~2セット
④チューブフロントレイズ・チューブサイドレイズ・チューブリアラテラルレイズ・チューブフェイスプルを各1セット
⑤チューブフレンチプレスまたはチューブプレスダウンまたはチューブキックバックを2~3セット
●火曜日のチューブトレーニング
①チューブクランチを2~3セット②チューブレッグレイズを2~3セット
③チューブサイドベントを2~3セット
●水曜日のチューブトレーニング
①チューブスクワットまたはチューブレッグプレスを3~5セット②チューブレッグエクステンションを2~3セット
③チューブレッグカールを2~3セット
●木曜日のチューブトレーニング
①チューブクランチを2~3セット②チューブレッグレイズを2~3セット
③チューブサイドベントを2~3セット
●金曜日のチューブトレーニング
①チューブローイングを2~3セット②チューブラットプルまたはチューブプルオーバーを2~3セット
③チューブカールを1~2セット
④チューブハンマーカールを1~2セット
⑤チューブリバースカールを1~2セット