細マッチョ向きの下半身の筋トレ方法を、自宅(自重・チューブ・ダンベル)とジム(マシン・バーベル)それぞれでの大腿四頭筋・ハムストリングス・内転筋群の鍛え方・種目から幅広く解説します。
■大腿四頭筋の部位と作用
大腿四頭筋は太もも前側に位置する表層筋で、大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋から構成され、主に膝関節を伸展する作用を持ちます。このほかに、股関節の屈曲・外転にも作用します。
■内転筋群の部位と作用
内転筋群は骨盤と大腿骨をつなぐインナーマッスルで、大内転筋・長内転筋・短内転筋・薄筋・恥骨筋から構成され、股関節の内転作用を持ちます。
■臀筋群の部位と作用
臀筋群は尻に位置する筋肉群で表層から順に大臀筋・中臀筋・小臀筋の三層構造をしており、股関節を伸展させる作用を持ちます。
■ハムストリングスの部位と作用
ハムストリングスは太もも後面に位置する筋肉群で、大腿二頭筋長頭・大腿二頭筋短頭・半腱様筋・半膜様筋から構成され、膝関節を屈曲させる作用および股関節伸展の作用を持ちます。
■下腿三頭筋の部位と作用
下腿三頭筋はふくらはぎに位置する表層筋で、腓腹筋外側頭・腓腹筋内側頭・ヒラメ筋から構成され、足首関節の伸展作用を持ちます。
■自重トレーニングの特徴
自重トレーニングの最大の特徴は、なんといっても器具が必要ないことです。とても手軽で、思い立ったその日から始めることができます。
反面、自重トレーニングには複数の筋肉を同時に動かす複合関節運動(コンパウンド種目)しかないため、個別に筋肉を鍛えることができないという側面もあります。
しかし、全身運動的に身体を鍛え、細く締まった身体を目指す細マッチョ筋トレであれば、個別に単一の筋肉を鍛える単関節運動(アイソレーション種目)がないのは、そこまで気にする必要はないかもしれません。
■チューブトレーニングの特徴
チューブトレーニングは自重トレーニングと異なり、筋肉部位を個別に鍛える単関節運動(アイソレーション種目)が豊富なことが特徴で、これにより部位によって筋肥大させるのか引き締めるのかを明確に決めたトレーニングが可能です。
また、ダンベルトレーニングと異なり「上から腕を引く運動」が可能なことも大きな魅力と言えるでしょう。
反面、高負荷がかけにくいという側面がありますが、中負荷トレーニングが中心の細マッチョ筋トレにおいては、あまり問題ありません。
■ダンベル筋トレの特徴
ダンベル筋トレは自宅でのウエイトトレーニングの柱となる基本的で効果の高いトレーニング方法で、数多くのメリットがあります。
まずは、高負荷で筋肉を鍛えることのできる複合関節種目(同時に複数の筋肉を動かす種目)=コンパウンド種目が豊富なだけでなく、個別に筋肉を追い込める単関節種目=アイソレーション種目も非常に豊富です。
また、個人の筋力や目的に応じて自在に負荷設定が変えられるのは、自重トレーニングに比べると格段に勝っています。そして、自重トレーニングをダンベルを保持して行うことで、自重トレーニング自体の強度を上げることも可能です。
唯一の難点と言えば、フリーウエイトの特性上、「上から腕を引く動作」ができない点で、その動作が必要な広背筋トレーニングは懸垂など組み合わせる必要があります。
■マシントレーニングの特徴
マシントレーニングの多くは、動作軌道がマシンのレールなどによって確保されているため、ウエイトのブレを自身で支える必要がなく、各トレーニング種目の主働筋を高負荷で集中的に鍛えられるというメリットがあります。
反面、ブレを支える必要がないため自身の体幹インナーマッスルが強くなりにくいというデメリットもあります。
理想としては、マシントレーニングだけで終わらずダンベルやバーベルといったフリーウエイトトレーニングも組み込んでいくことをおすすめします。
■バーベル筋トレの特徴
バーベル筋トレは全てのウエイトトレーニングの基礎であり、筋トレBIG3種目を含め、とれも効率的・高負荷で筋肉を鍛えられる方法です。
ダンベルと違い両手でウエイトを扱うので、より高重量が扱え、マシンと違いウエイトのブレを自身でとめながら動作をする必要があるので体幹インナーマッスルも同時に供されるといったメリットがあります。
反面、各種目を適切にターゲットの筋肉に効かせるためにはテクニックやフォーム習得が必須となります。
■まずは全身の筋肉部位を理解する
どのような目的であれ、身体を鍛える場合にまず知っておきたいのは、鍛える対象となる筋肉の部位と連動性・作用です。
全身の筋肉はその作用と連動性から以下のように部位分けされます。
①上半身の押す筋肉
大胸筋・三角筋・上腕三頭筋など
②上半身の引く筋肉
広背筋・僧帽筋・上腕二頭筋など
③体幹の筋肉
腹筋群・脊柱起立筋・回旋筋など
④下半身の筋肉
臀筋群・大腿四頭筋・大腿二頭筋など
さらに詳しい筋肉名称と作用については下記の筋肉図鑑をご参照ください。
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筋肉の名称と作用|部位ごとの分割筋トレ方法と正しい鍛え方
■筋繊維の種類と負荷回数設定
全身の筋肉の部位・連動性・作用を理解したら、次に知っておきたいのが筋肉を構成する筋繊維の種類・特徴と、トレーニング目的別にターゲットにすべき筋繊維に適した負荷回数設定です。
筋繊維には大きく三種類があり、それは次のように分類されます。
●筋繊維TYPE2b(速筋FG筋)
収縮が速く(Fast)、グリコーゲン(Glycogen)を消費する。30秒以内の瞬発動作で収縮し、鍛えると強く筋肥大する。10回前後の反復回数で限界がくる負荷設定でトレーニングする。筋肥大バルクアップ筋トレのターゲット。●筋繊維TYPE2a(速筋FO筋)
収縮が比較的速く(Fast)、グリコーゲン(Oxygen)を消費する。60秒以内の瞬発的動作で収縮し、鍛えると筋肥大する。15回前後の反復回数で限界がくる負荷設定でトレーニングする。細マッチョ筋トレでのボリュームアップのターゲット。●筋繊維TYPE1(遅筋SO筋)
収縮が比較的遅く(Slow)、グリコーゲン(Oxygen)を消費する。60秒以上の持久動作で収縮し、鍛えると筋密度が向上し引き締まる。20回以上の反復回数で限界がくる負荷設定でトレーニングする。細マッチョ筋トレでの引き締めのターゲット。■細マッチョになるための二つのアプローチ
●痩せ体形かぽっちゃり体形かで異なる
一般的に、細マッチョの基準とされるのがBMI22前後、体脂肪率15%前後ですが、このような体形になるためには現状の自分の体形によって二つのアプローチがあり、それは以下の通りです。
①痩せ体形の場合:まず筋肥大バルクアップ筋トレを行う
②ぽっやり体形の場合:まず引き締めダイエット筋トレを行う
そして、BMI22前後・体脂肪率15%前後の体形の場合、またはトレーニングによってそうなった場合は、筋肉を維持したり、より見栄えのよい形にするために、筋繊維TYPE2aをターゲットにした15回前後の反復で限界がくる負荷回数設定で「細マッチョ筋トレ」を行っていきます。
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■下半身の自重トレーニング
●スクワット
自重スクワットはとても効果の高いトレーニングですが、やり方を間違えると膝に強い負担がかかりますので、しっかりと正しいフォームで行うことが大切です。
そのフォームのポイントは以下のようになります。
・胸を張り背すじを伸ばす
・膝をつま先より前に出さない
・目線はやや上に向ける
・斜め後ろにしゃがむ
このフォームを一言であらわすと「胸を張って椅子に座る動作」ですので、そのイメージで動作を行ってください。
そして、膝への負担がかからないよう、しゃがむのは膝が90度まで(太ももが床と平行)にすることをおすすめします。
また、これも膝への負担を考慮してですが、しゃがんでから立ち上がる折り返しポジションで、反動を使わないように気をつけてください。
なお、斜め後ろにしゃがむてバランスがとりづらい方は、かかとで板などを踏んで行うと動作がやりやすくなります。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①胸を張り背すじを伸ばして構える
②膝がつま先より前に出ないよう、斜め後ろにしゃがむ
③目線をやや上に向け、反動を使わずに立ち上がる
●シシースクワット
シシースクワットは大腿四頭筋に集中的な効果があるスクワットバリエーションです。
シシースクワットは後方に大きくのけぞるようにしゃがむことで、大腿四頭筋に負荷を集中させられます。
完全に自立する必要はなく、転倒リスクを避けるためにも柱などを持って行うことをおすすめします。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①柱などを持ち、肩幅程度に足を開き、胸を張って背筋を伸ばして構える
②膝を曲げながら後方にのけぞるようにしゃがむ
③膝が直角になるまでしゃがんだら、反動を使わずに膝を伸ばして立ち上がり、元に戻る
●ワイドスクワット
ワイドスクワットは、大きく足を開いて構えることで、足を閉じる作用のある内転筋群に負荷をかけられるスクワットバリエーションです。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①足を大きく開き、胸を張って背すじを伸ばして構える
②つま先の方向に膝を向けて曲げ、真下にしゃがむ
③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに膝を伸ばして立ち上がり元に戻る
●ブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワットは、片足を前に出し、片足を後ろの台などに乗せることで、非常に高い強度で下半身に負荷がかけられるスクワットバリエーションです。
一説では、ブルガリアの五輪体操チームが発案したためこのような種目名になったとも言われています。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①片足を大きく前に出し、片足を後ろの台などに乗せ、胸を張って背すじを伸ばして構える
②前にした足の膝がつま先より前に出ないように気をつけ、やや斜め後方にしゃがむ
③前に足の太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに後ろの足を主体にして立ち上がり元に戻る
●フロントランジ
フロントランジはハムストリングスに効果的でヒップアップに最適なスクワットバリエーションです。
フロントランジは足を前後に開いて構え、後ろ側にした脚の膝を下げるようにしてしゃがみます。この時に、膝への負担を避けるため、前側の脚の膝がつま先より前に出ないように気をつけてください。
前側の脚の太ももが、床と平行になるまでしゃがんでから立ち上がりますが、後ろ側にした脚を主体にして立ち上がる意識で動作を行うと、より一層下半身後ろ側に効果的です。
筋力的に動作が辛い方は、手を軽く振り子のように使って立ち上がってください。ただし、膝のバネを反動にして立ち上がると、膝関節に大きな負担がかかりますので、十分に気をつけてトレーニングしましょう。
また、背すじを伸ばし、やや目線を上に向けた姿勢を作ることも大切なポイントです。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①足を前後に開いて構える
②背すじを伸ばし、やや目線を上げる
③前足の太ももが床と平行になるまでしゃがむ
④後ろ足に意識を集中して立ち上がる
●サイドランジ
サイドランジは内転筋群に効果的で内もも引き締めに最適なスクワットバリエーションです。
サイドランジは大きく横に足を広げて構え、そこから片側の膝を曲げて横向きにしゃがんでいきます。この時に、曲げる方の脚の膝をつま先と平行(同じ向き)になるように注意しないと、膝関節に捻れ負荷がかかってしまいますので、十分に気をつけてください。
あわせて、膝関節保護のため、曲げる方の脚の膝がつま先より前に出ないように注意することも大切です。
しゃがんでから立ち上がる時は、伸ばした方の脚で身体を行き寄せるようにするのがポイントで、この動作によって内ももの筋肉である内転筋群に負荷をかけることができます。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①足を横に広げて構える
②片側の膝を曲げ、横方向にしゃがむ
③伸ばした脚で引き寄せるようにして立ち上がる
④反対側の膝を曲げて再びしゃがみ、同様に立ち上がる
■下半身のチューブトレーニング
●チューブスクワット
チューブスクワットは下半身全体に効果的な下半身トレーニングの基本となるゴムバンド筋トレです。
チューブスクワットは、自重スクワットにチューブのゴム張力負荷を追加して強度を高めた種目で、基本的なフォームややり方は自重でのスクワットに準じます。そのポイントは以下の通りです。
・胸を張り背すじを伸ばす
・膝をつま先より前に出さない
・目線はやや上に向ける
・斜め後ろにしゃがむ
このフォームを一言であらわすと「胸を張って椅子に座る動作」ですので、そのイメージで動作を行ってください。
そして、膝への負担がかからないよう、しゃがむのは膝が90度まで(太ももが床と平行)にすることをおすすめします。
また、これも膝への負担を考慮してですが、しゃがんでから立ち上がる折り返しポジションで、反動を使わないように気をつけてください。
なお、斜め後ろにしゃがむてバランスがとりづらい方は、かかとで板などを踏んで行うと動作がやりやすくなります。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①下からテンションがかかるようにトレーニングチューブをグリップし、胸を張り背すじを伸ばして構える
②膝がつま先より前に出ないよう、斜め後ろにしゃがむ
③目線をやや上に向け、反動を使わずに立ち上がる
●チューブレッグプレス
チューブレッグプレスは大腿四頭筋に効果的な筋トレです。
チューブレッグプレスは、仰向けになり膝を曲げて足先にゴムバンドをかけて構え、そこからゴムチューブの張力に逆らって足を押し出していきます。
足を押し出す方向に注意が必要で、あまり低いと腹筋群や背筋群に負荷が分散してしまいますので、斜め上方にむけて足を押し出すことが大切です。
また、足を押し出す動きのなかで太もも前側に、ゴムの張力に耐えて足を戻す動きのなかで太もも裏側に負荷がかかりますので、足を押し出す時だけでなく、戻す時にもしっかりとコントロールした動作で丁寧に効かせるようにしてください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①仰向けになり膝を曲げ足先にゴムをかけて構える
②斜め上方にむけて足を押し出す
③張力に耐えながらゆっくりと元に戻る
●チューブレッグエクステンション
チューブレッグエクステンションは大腿四頭筋に集中的な効果があるゴムバンド筋トレです。
チューブレッグエクステンションを行うときは、足に後ろからテンションをかけ、膝下の動作だけに集中できるように構えます。
そこから、足を前に上げていきますが、この時に上半身を後ろに倒してしまうと負荷が腹筋群に分散してしまいますので、上半身は床と垂直に保つようにしてください。
また、足を上げたポジションで、つま先を手前に向けるような動きを加えることで、太もも前側の筋肉が完全収縮して効果が倍増します。
なお、反動を使って動作を行うと、あまり負荷がかからなくなりますので、足を上げる時も下ろす時も、しっかりとコントロールした動作で丁寧に効かせるのがポイントです。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①椅子に座り背すじを伸ばして構える
②上半身を倒さないように足を上げる
③足を上げたらつま先を手前に向ける
④ゆっくりと効かせながら元に戻る
●チューブレッグカール
チューブレッグカールはハムストリングスに効果的なゴムバンド筋トレで、ヒップアップに最適な方法です。
チューブレッグカールはうつ伏せになり足にチューブをセットして構えます。そこから、膝を曲げていき、90度まで曲げたらつま先を伸ばす動きを加えて太ももの裏側の筋肉・ハムストリングスを完全収縮させます。
この時に、少し太ももを床から浮かせ、お尻にギュッと力を入れると臀筋群も収縮するのでさらにヒップアップに効果的です。
なお、ハムストリングスは収縮するときだけでなく、戻す時にゴムの張力に逆らいながらゆっくりと戻すことで、エキセントリック収縮(伸張性収縮)によって非常に効率的に聞かせることが可能です。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①うつ伏せになり足にゴムをセットして構える
②膝を90度まで曲げ、つま先を伸ばして筋肉を完全収縮させる
③やや太ももを浮かせてお尻にも効かせる
④ゆっくりとゴムの張力に逆らいながら元に戻る
■下半身のダンベルトレーニング
●ダンベルスクワット
ダンベルスクワットは下半身全体に効果的な基本となるダンベル筋トレです。
ダンベルスクワットは、自重スクワットにダンベルのウエイト負荷を追加して強度を高めた種目で、基本的なフォームややり方は自重でのスクワットに準じます。そのポイントは以下の通りです。
・胸を張り背すじを伸ばす
・膝をつま先より前に出さない
・目線はやや上に向ける
・斜め後ろにしゃがむ
このフォームを一言であらわすと「胸を張って椅子に座る動作」ですので、そのイメージで動作を行ってください。
そして、膝への負担がかからないよう、しゃがむのは膝が90度まで(太ももが床と平行)にすることをおすすめします。
また、これも膝への負担を考慮してですが、しゃがんでから立ち上がる折り返しポジションで、反動を使わないように気をつけてください。
なお、斜め後ろにしゃがむてバランスがとりづらい方は、かかとで板などを踏んで行うと動作がやりやすくなります。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①ダンベルを持ち、胸を張り背すじを伸ばして構える
②膝がつま先より前に出ないよう、斜め後ろにしゃがむ
③目線をやや上に向け、反動を使わずに立ち上がる
●ダンベルワイドスクワット
ダンベルワイドスクワットは内転筋群を高負荷で鍛えられるダンベル筋トレです。
ダンベルワイドスクワットは、自重でのワイドスクワットにダンベルの負荷を追加することで強度を高めた種目ですので、そのやり方やフォームのポイントは自重でのワイドスクワットに準じます。
ダンベルワイドスクワットは、大きく足を開いて構えることで、足を閉じる作用のある内転筋群に負荷をかけられるスクワットバリエーションです。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①足を大きく開き、胸を張って背すじを伸ばして構える
②つま先の方向に膝を向けて曲げ、真下にしゃがむ
③太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、反動を使わずに膝を伸ばして立ち上がり元に戻る
●ダンベルフロントランジ
ダンベルフロントランジはハムストリングスに効果的な筋トレです。
ダンベルフロントランジは、自重でのフロントランジにダンベルの負荷を追加して強度を上げたトレーニングで、フォームややり方は自重でのフロントランジに準じます。
ダンベルフロントランジは足を前後に開いて構え、後ろ側にした脚の膝を下げるようにしてしゃがみます。この時に、膝への負担を避けるため、前側の脚の膝がつま先より前に出ないように気をつけてください。
前側の脚の太ももが、床と平行になるまでしゃがんでから立ち上がりますが、後ろ側にした脚を主体にして立ち上がる意識で動作を行うと、より一層下半身後ろ側に効果的です。
筋力的に動作が辛い方は、手を軽く振り子のように使って立ち上がってください。ただし、膝のバネを反動にして立ち上がると、膝関節に大きな負担がかかりますので、十分に気をつけてトレーニングしましょう。
また、背すじを伸ばし、やや目線を上に向けた姿勢を作ることも大切なポイントです。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①ダンベルを持ち、足を前後に開いて構える
②背すじを伸ばし、やや目線を上げる
③前足の太ももが床と平行になるまでしゃがむ
④後ろ足に意識を集中して立ち上がる
●ダンベルサイドランジ
ダンベルサイドランジは内転筋群に効果的な筋トレです。
ダンベルサイドランジは、自重でのサイドランジにダンベルの負荷を追加することで強度を高めた種目ですので、そのやり方やフォームのポイントは自重でのサイドランジに準じます。
ダンベルサイドランジは大きく横に足を広げて構え、そこから片側の膝を曲げて横向きにしゃがんでいきます。この時に、曲げる方の脚の膝をつま先と平行(同じ向き)になるように注意しないと、膝関節に捻れ負荷がかかってしまいますので、十分に気をつけてください。
あわせて、膝関節保護のため、曲げる方の脚の膝がつま先より前に出ないように注意することも大切です。
しゃがんでから立ち上がる時は、伸ばした方の脚で身体を行き寄せるようにするのがポイントで、この動作によって内ももの筋肉である内転筋群に負荷をかけることができます。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①ダンベルを持ち、足を横に広げて構える
②片側の膝を曲げ、横方向にしゃがむ
③伸ばした脚で引き寄せるようにして立ち上がる
④反対側の膝を曲げて再びしゃがみ、同様に立ち上がる
●ダンベルレッグエクステンション
ダンベルレッグエクステンションは大腿四頭筋に集中的な効果があるダンベル筋トレです。
ダンベルレッグエクステンションはベンチなどに腰かけ、ダンベルを足で挟んで構えます。そこから膝を伸ばしてダンベルを上げていきますが、この時に上半身を後ろに倒すと、負荷が腹筋群に分散してしまいますので、上半身はできるだけ倒さずに膝から先だけで動作をするようにしてください。
また、ダンベルを上げる時だけでなく、下ろす時にもウエイト負荷をかけて筋肉をエキセントリック収縮(伸張性収縮)させて効かせることが大切なポイントです。
なお、膝を伸ばしたポジションでつま先を手前に向けるような動作を加えると、大腿四頭筋が完全収縮して効果が倍増します。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①ベンチなどに座り、足にダンベルを挟んで構える
②上半身を倒さずに、膝から先だけでダンベルを上げる
③ゆっくりと効かせながらダンベルを下ろす
●ダンベルレッグカール
ダンベルレッグカールはハムストリングスに集中的な効果があるダンベル筋トレです。
ダンベルレッグカールはベンチなどにうつ伏せになり、足にダンベルを挟んで構えます。そこから膝を曲げてダンベルを上げていきますが、この時に反動を使って腰を反らせてしまうと、腰椎に大きな負担がかかってしまいますので、常にコントロールした動きで反動を使わないように行ってください。
また、ダンベルを上げる時だけでなく、下ろす時にもウエイト負荷をかけて筋肉をエキセントリック収縮(伸張性収縮)させて効かせることが大切なポイントです。
なお、膝を曲げたポジションでつま先を伸ばすような動作を加えると、ハムストリングスと臀筋群が完全収縮して効果が倍増します。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①ベンチなどにうつ伏せになり、ダンベルを足に挟んで構える
②反動を使わないように膝を曲げてダンベルを上げる
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
■下半身のマシントレーニング
●スミスマシンスクワット
スミスマシンスクワットは下半身全体に効果的なジムマシン筋トレです。
スミスマシン共通の特徴として、ウエイトのブレをマシンレールが支えてくれるので筋肉に負荷を加えることに集中できる反面、軌道が固定されているのでズレが全て関節にかかってしまうというものがあります。事前に十分に構え方のチェックをして、関節に負担がかからないフォームか確認してください。
スミスマシンスクワットの場合、足の置き場所が重要で、通常のスクワットよりも少し前に足を置きややマシンにもたれるような感覚で構えることが重要です。マシンシャフトの真下に足を置いてしまうと、膝への負荷の逃げ場がなくなり膝関節に強い負担とまりますので十分に気をつけてください。
やや前よりに足を置いたら、シャフトを肩の下のほうでかつぎ、胸を張って背すじを伸ばし、シャフトをラックアウトします。
そこからしゃがんでいきますが、そのまましゃがむのではなく、お尻を突き出しながら上半身を少し前傾させるような動きでしゃがみます。
太ももが床と平行になるまでしゃがんだら、そこから立ち上がっていきますが、このポジションで膝がつま先よりも前に出ていないことも、膝関節保護には重要です。また、この位置で一旦静止し、反動を使わないようにしましょう。
立ち上がるときは、目線をやや上に向けることで背中が丸くなることを防ぎ、太ももに意識を集中して効かせながら立ち上がってください。
膝が伸びるまで完全に立ち上がったら、呼吸を整え、再びしゃがんでいきます。
なお、スミスマシンスクワットは、立ち上がる時に太もも前側に負荷がかかり、ウエイトに耐えながらしゃがむ時に太もも裏側に負荷がかかります。立ち上がる動作だけでなく、しゃがむ動作もしっかりと筋力でコントロールして、太もも全体の筋肉に効かせるようにすることがコツです。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①やや前に足を置き、胸を張り背すじを伸ばして構える
②シャフトをラックアウトし、お尻を突き出しながら太ももが床と並行になるまでしゃがみ、そのポジションで一旦静止する
③膝が完全に伸びるまで立ち上がる
④呼吸を整え、再びしゃがんでいく
●マシンレッグプレス
マシンレッグプレスは大腿四頭筋に効果的なジムマシン筋トレです。
マシンレッグプレスでもっとも注意したいポイントは、「膝がつま先よりも上にならない」位置で構えることです。膝がつま先より上に出たフォームで脚に力を入れると、膝に対して強い負担となりますので十分に気をつけてください。
正しいフォームで構えるためには二つのことを調整しますが、一つはシートの前後調整で、膝の角度が90度前後になるようにしてください。そして、もう一つが足の置き場ですが、これもひざの角度が90度前後になるようにするとともに、膝よりも上につま先がくるようにします。
マシンに座り、正しい構え方をしたら、そこから脚に力を入れてウエイトを押し上げていきます(マシンによってシートが動くタイプもあります)。しっかりと膝が伸びるまで押し切るようにしましょう。
マシンレッグプレスは、押す動作のなかで太もも前側の大腿四頭筋に負荷がかかり、戻す時にウエイトに耐えながらゆっくりと動作することで太もも裏側のハムストリングスにも効果があります。戻り動作も大切に、筋肉に効かせながら行ってください。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①膝が90度前後でつま先よりも上にならないようにシートを調整して構える
②膝が伸びる位置までウエイトを押し上げる
③ゆっくりと効かせながら元に戻る
●マシンレッグエクステンション
マシンレッグエクステンションは大腿四頭筋に効果的なジムマシン筋トレです。
マシンレッグエクステンションは、マシンのシートに座り、脛にパッドを当てて構えます。そこから膝関節を伸ばしてウエイトを上げていきますが、この時に上半身を後ろに傾けないことが大切です。後傾姿勢で動作を行うと、負荷が腹筋群に分散してしまいますので、上半身は真っ直ぐに保って動作を行ってください。
また、ウエイトを上げる時だけでなく、下ろす時にも負荷をかけて筋肉をエキセントリック収縮(伸張性収縮)させて効かせることが大切なポイントです。
なお、膝を伸ばしたポジションでつま先を手前に向けるような動作を加えると、大腿四頭筋が完全収縮して効果が倍増します。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①シートに座り脛にパッドを当てる
②上半身を倒さずに、膝を伸ばしてウエイトを上げる
③膝を伸ばしたら、つま先を手前に向けて大腿四頭筋を完全収縮させる
④ゆっくりと効かせながら元に戻る
●マシンレッグカール
マシンレッグカールはハムストリングスに集中的な効果があるジムマシン筋トレです。
マシンレッグカールはベンチにうつ伏せになり、足首の後ろをパッドに当てて構えます。そこから、膝を曲げてウエイトを上げていきます。この時に腰を反らさないようにすることが大切で、腰の反ったフォームで行うと腰椎に負担がかかりますので、上半身をしっかりとシートにつけて、膝から先だけで動作するようにしてください。
また、膝を曲げたら、その位置でつま先を伸ばす動作を加えることで太もも裏側の筋肉(ハムストリングス)が完全収縮して効果が高まります。
なお、本種目はウエイトを上げる時のコンセントリック収縮(短縮性収縮)で効かせることも大事ですが、ウエイトを下げる時にゆっくりと動作しエキセントリック収縮(伸張性収縮)で効かせることも重要です。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①シートにうつ伏せになり、足首後ろにパッドを当てて構える
②腰を反らさないように気をつけ、膝から先だけを動作させてウエイトを上げる
③膝を曲げたら、つま先を伸ばしてハムストリングスを完全収縮させる
④ゆっくりと効かせながら元に戻る
●マシンアダクション
マシンアダクションは内転筋群に効果的な筋トレです。
マシンアダクションは、シートに座り太ももにパッドを当てて構えます。そこから、脚を閉じていきますが、ターゲットとなる内ももの筋肉・内転筋群はインナーマッスルですので速い動作で行うのではなく、ゆっくりとした動作で確実に内もものなかが収縮するイメージで行ってください。
また、脚を閉じる動作だけでなく、戻る動作もしっかりとコントロールしてエキセントリック収縮(伸張性収縮)で負荷をかけていくことも大切です。
なお、背もたれにもたれて後傾姿勢で行うと内転筋群のお尻側に、逆に前傾姿勢で行うと内転筋群の膝側に負荷がかかります。
動作の正しい手順は以下の通りです。
①シートに座り太ももにパッドを当てる
②ゆっくりとした動作で脚を閉じる
③ゆっくりと効かせながら元に戻る